絶対に笑ってはいけない日本のミュージカル

【ここだけの話】ここがヘンだよ!絶対に笑ってはいけない?!日本のミュージカル

ここだけの話 長文読みもの

ここがヘンだよ!絶対に笑ってはいけない?!日本のミュージカル

更新日:

(初稿:2014年12月23日、リライト:2015年11月8日 記事を大幅に再編しました)

 

 

日本ではミュージカルの上演中に笑うなんてとんでもないことなんだよね。

 

 

 

みなさんこんにちは。禁断(@J_kindan)です。

 

 

前回記事:

 

 

さて今回は今だから書けるちょっとアレな話シリーズの第一回でも書きました、観劇マナーに関連するお話です。まずはこちらの記事をご覧ください。

 

とてもわかりやすくまとまっていますね。観劇に慣れている我々にはもはや当然のことばかりですけれども、あらためて読んでみるとなんとまぁ沢山のお約束事がありますね。

私はこれまでにも「日本のミュージカルファンは、観客マナーがとても良い」と書いてきました。これはすなわち、これらの「暗黙の観劇マナー(お約束事)」を守っている人が圧倒的に多いからこそ思うことなんですね。

ですから、観劇に慣れていない人がポッと劇場の中に入ってきてしまうと、その人のちょっとした言動が妙に目立ってしまって気になって仕方がない

…という現象が起こります。

その人は全く迷惑な事をしているつもりはなくても、お約束事を守っている人たちの中に入ってきてしまうことで、下手をすれば「とんでもなく非常識な迷惑客だ!」というレッテルを貼られてしまうこともあるでしょう。

いや実際、本当に勘弁してほしい人が隣(もしくは近く)に来たことは何度もあります。

一番嫌なのは隣で歌われることですね。

 

先ほどの観劇マナー記事の中でこんなルールが書かれています。

・しゃべらない、口を開かない
笑いどころでの笑い声、息を飲む、拍手、などはOKです。
…が、それもあまり過剰になると迷惑になりますのである程度は空気を読んでください。

「笑いどころの笑い声はOK。しかし過剰になると迷惑なので空気を読むように」

とありますね。で、これって私だけ? と思ってしまうことなのですけど、

この「笑ってはいけない」という空気がたまらなく誘い笑いを生み出して仕方がない…という現象について書いていきます。

 

 

だって、ミュージカルって、つい笑ってしまう面白いシーンが満載だと思いませんか??

 

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絶対に笑ってはいけない日本の劇場

そうなんです。

 

日本のミュージカル観劇って、

 

背筋をビシーッと伸ばして姿勢をただし、ピクリとも動かずに見なければならない。

 

お喋りなんてとんでもない!

 

もちろん笑ってはいけないし、泣くのも静かに!

 

という厳格な雰囲気がビンビンに漂っていて、どうにも緊張してしまうのです。

 

 

…観劇が終わったら妙に疲れているのですが、やっぱり緊張感からの解放(ギャップ)があるのでしょうか。

「体をピクリとも動かさず」で思い出したんですけど、「体をやたらに動かしてはいけない」というのをわかっていて、実は少し動いてしまっていることがあります。音楽を聴くと自然に体が乗って動いてしまうんですよね。特にロック調のノリのいいやつは、です。

「カラダを動かして盛り上げて下さい!」→ 微動だにしない

劇団四季のミュージカル「春のめざめ」では表向きは「思うままに音楽に乗って体を動かして、盛り上げてくださいね!」と、開演前に劇場スタッフが説明していました。なので私は暫くの期間、見に行くたびにノリノリで体を動かし続けたのですけど、周りが全く動かないので途中からやめてしまいました(笑)

絶対悪目立ちしてたでしょうねぇ。。。アカンがな!

 

今は極力動かさないようにしてはいますが、無意識の内にノっていることがあるので、もし私の隣に座った方で迷惑に感じてしまった人がいたらごめんなさい。

 

海外の劇場ではどんなシーンでもドッカンドッカン笑う!

私は海外でもミュージカルを観劇することがよくあります。といってもこれまで行ったことがあるのはロンドンと韓国とデンマークだけなのですが。

あちらでは、まぁお客さんはかなりフリーダムです!

 

もちろんお喋りなんてしてはいけませんけど、隣同士で小声で何か耳打ちするなんてことはしょっちゅうですし、前回も書きましたけれどもチョコやアイスやお酒を片手に、とてもリラックスした雰囲気で観劇するのが当たり前なのです。

あちらではミュージカルを一人で見に来るという人はほぼいません。ほとんどが家族やカップル、友達同士で見にきています。

まず日本では考えられないことですが、飲食OKなんですね。上演中でも。

本当は駄目なのかもしれませんけど、劇場内で売っているものを食べたり飲んだりするのは黙認されているようです。間違ってもマックやお寿司を持ち込んで上演中に食べないようにしてくださいね(笑) 最初はビックリしましたけど、今ではもう慣れっこになってしまいました。

それだけではありません。

まぁよく笑います!ドッカンドッカン大ウケです!!(笑)

笑う子どもたち

面白いシーンがあれば遠慮なく笑ってもいいんだね!

出典:pixabay.com

 

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「オペラ座の怪人」でも笑う!

これ、私的にはとてもとても心地よい環境なんですよね!だって、劇中に大笑いしてもいいんですよ!「オペラ座の怪人」で、カルロッタが出てきただけで皆ゲラゲラ笑いますから!笑

支配人の二人(フィルマン、アンドレ)もかなりのお笑いキャラです。彼らの台詞まわしや表情だけでもおかしくて吹き出してしまいますし、周りも皆笑っています。

 

カルロッタ、ド迫力ですもんね。

 

「ブック・オブ・モルモン」は日本では上演不可能?

例えば「ブック・オブ・モルモン」というブロードウェイミュージカルがあります。

このミュージカルは、超ブラックな危ないネタやパロディー満載のお話で、演じ手側が完全に笑わせにかかっているので客席は常に大爆笑なのです。もうめっちゃ笑っています!笑いすぎてヒーヒー言って苦しんでいる人もたくさんいます(笑)

でももし、これを日本で上演するとなったら…どうでしょう?まぁ、クスクスぐらいは少しあるかもしれませんが、やはり静かなリアクションになるような気がします。やっぱり、お作法の「笑ってはいけない。笑いどころはOKだけど空気を読んで」という意識が、どうしても割り込んでくるのです。

 

「グリーン!」で笑うんです

モルモンの例ではわかりにくかったかもしれないので…では、皆さんご存知の「ウィキッド」ではこんな感じになります!

 

グリーーーーーン!!

 

 

ここで大爆笑です(笑) 日本だとシーンとしていますよね。

それから、”As Long As You’re Mine” (フィエロとエルファバのデュエット)のラスト。日本版ならエルファバの台詞「今はとっても幸せ」、の後でも笑いが起こります。

ミュージカルWICKEDは「言葉遊びが豊富に入っている」作品ですが、残念ながら日本版ではその面白さがいまいち再現出来ていない、という事があります。(日本語訳にその遊び要素が入っていない。綺麗に訳しすぎている)

ですが、その要素を除いたとしても明らかに日本で観る時よりも楽しめるのです。それはやはり、劇中に自由に笑っていいから。だと思います。なんか、周りが笑っているだけでもなんだか楽しい気分になりませんか?「ポピュラー」なんかもっと客席で笑いが起こってもいいと思うんですけどね。

 

「シーン」と静まり返って見ているよりずーっと楽しいと思うんだけどなぁ。

 

逆パターンが発生してヤバかった”The Wicked Witch of the East”

そしてあちらでは、ネッサローズがボックに別れを告げられるシーン(”The Wicked Witch of the East”)でも笑いが起きていたのには驚きました。まぁ、ネッサは傍若無人な振る舞いをしてしまうのですから、ボックにフラれてしまっても仕方ないんですけどね。

私の場合、このシーンで逆パターンが発生してしまいました。これ、結構ヤバイです。

 

韓国版では「姉妹が本気でぶつかり合うが結果事故が起こる」

韓国版では、ボックと別れたくないネッサローズがエルファバのグリムリー(呪文本)を使ってデタラメな呪文を唱え始めると、

危険を察知したエルファバは体ごとネッサにぶつかっていって呪文を唱えるのを必死で止めようとします。

ネッサも必死で抵抗。姉妹はグリムリーを奪い合います。ついにエルファバを振りほどいたネッサローズが更に呪文を唱え続け、ボックが苦しみだす

…という展開です。

どうですか? これ、やたらリアリティがありますよね。関心しました。エルファバは必死で止めたけど止めきれなかった。ネッサローズは自分のせいだとわかっているのに、姉のエルファバのせいにしてしまった。

ここのシーンは今までどうにもシックリこなかったのですけど(好きなんですけどね)、この姉妹の本気のぶつかり合いを見た瞬間に、これまで抱いていた違和感が音を立てるように弾けてなくなりました!

ここで笑う、という話ではありませんよ。おかしいのは次です。

 

日本版のエルファバは傍観者

これ…このシーン。日本版ってどうなのか思い出してみてください。

日本のエルファバは、

「ネッサ危険よー」とか「発音がめちゃくちゃよー」とか声をかけますけど、基本的には傍観者で、全く止めに入ろうとはしませんよね。

後ろから声をかけるだけ。いや発音がどうのこうのっていう問題じゃないでしょ!(笑)

これ、ヤバくないですか?

もう私、日本版のこのシーンを冷静に観ることはできないと思います。

 

 

実は笑いどころ満載なアイーダ

もうひとつ。

ディズニーミュージカルの「アイーダ」は、個人的に笑いポイントが多すぎて、毎回肩の震えを止めるのに必死になってしまいます。

私はいつもその話をすると、「アイーダって笑いどころある?」と殆どの人が聞いてきます。もしくは「アイーダで笑うなんて不謹慎だ!」と怒る方もいらっしゃるかもしれません。

 

いやいや!アイーダめっちゃありますよ!面白いシーン満載ですよ!!

 

ガーッハッハッハ!!!!キャーーーッ!!キャーーーッ!!

まず、いきなりアイーダと侍女たちがラダメス軍に捕まるシーン。一通り抵抗したが遂に降参したアイーダ。

ここからです。

 

ラダメスがアイーダに向かい合って肩を掴み力を入れ、

ラダメス「俺にもっといい考えが、ある!」(音楽)「ジャーン、ジャジャーン!」(男たち)「ガーッハッハッハッハ!!!」(侍女たち)「キャーッ!キャーーーッ!」

 

ここ!!めっちゃヤバイです!!今にも爆笑しそうになるのを必死で堪えて、体が震えるのを必死で止めなければなりません!

え? 何がおかしいのかですって?

 

いや、おかしいじゃないですか。ラダメスの言い方や、絶妙なタイミングで鳴る音楽や、ゲッラゲラ悪人笑いをする男たちや、やたら怖がる侍女たちも!!

え、私だけですか?

 

誰も笑っていないのが余計にツボでもう大変なんです(笑)

 

やたらに大きなヘチマで

そしてラダメスがアイーダに命令し「体を洗わせる」というシーン。

アイーダはやたらデカい、ヘチマのタワシみたいなので、乱暴にラダメスの背中を擦ります。ラダメスは「ウッ」とか「ムッ」とか言って、痛みに耐えています。

ここもちょっとヤバイです。ラダメスの表情が、ですね。怒ってるアイーダも面白い。

やたら大きいヘチマもツボです。

 

噛み合わないアムネリスとラダメスの会話

晩餐会でのアムネリスとラダメスの会話。ラダメスの遠征について行きたいというアムネリスにラダメスがこう言います。

ラダメス「よろしい、そうしましょう。干した猿の肉を食べ、ダニとともに眠るのです。今回は水が腐っていて何日も吐き続けました」
アムネリス「もう少し暇になったらまた考えましょう」

 

ここのやりとり!めっちゃヤバくないですか??面白すぎる!!

私は今にも爆笑しそうなのに

観劇している他のお客さんはビシーっと背筋を伸ばしてピクリとも動かず表情は一切変えずに見ている

ので、「よく我慢ができるなぁ!」と思ってしまいます!

 

ボスキャラ、ゾーザーの滑稽さに爆笑

「アイーダ」の中で一番ツボなのは悪役のゾーザーです。中でも2幕「この父親にしてこの息子あり」というナンバー。ゾーザー(父)vs.ラダメス(息子)なのに、ゾーザー側には黒服の大臣が4人もついていて銀色の長い棒で四方を囲み、ラダメスが逃げられないようにしています。(ゾーザーもその棒の囲いの中にいます)

まるでプロレスのリングのように囲まれた狭いなかで言い争う父と息子。ノリの良い音楽が鳴り、歌が続いています。

大臣たちはゾーザーを応援するかのごとく、跪きながら、その棒を両手を使って前後に動かしています。音楽に合わせてノリノリです!

しかしあっさりとゾーザーを倒し、スルリとその棒の囲いから抜けて逃げてしまうラダメス

息子不在のリングの中には残された父が一人。

しかし大臣たちは逃げたラダメスを追いかけようとはせず、残されたゾーザーを囲むようにまだ棒を前後に動かし続けています!!

不甲斐ない部下たちにブチ切れたゾーザーは、その棒を一本一本蹴散らします!

反省した(?)大臣たちは、その棒を仕舞い、何事もなかったかのようにシラーっとした表情で踊り続けるのです!!

あーヤバイ!!
ここめっちゃヤバイです!!
我慢しすぎてお腹がよじれそうになります!!

でも、

周りの人たちはビシーッと背筋を伸ばし、座席からピクリとも動かず、一切表情を変えずに見ている

のですから、それがまたヤバイ!!

いやなぜみなさん、こんなに面白いシーンなのに一切笑わずにいられるんですか!!

 

四季版以外で「アイーダ」を観劇したのは韓国版だけですが、あちらのお客さんは劇中でもよく笑っていましたよ!

日本では「アイーダ」って、「泣きどころが多いミュージカル」というイメージが強くありますが、実際には「笑いどころも、泣きどころも満載な、ミュージカル」なんです!

ディズニー作品ですからね。映画(アニメ)にはなっていませんが。

 

ジーザスもかなりやばい

ロックオペラとも呼ばれる「ジーザス・クライスト=スーパースター」でも結構ヤバイシーンが多くて、特に【神殿(闇市)のブチギレ神様】から【「診てください診てください」→「自分で治せ!」】のところまでは、肩が震えるのをずっと堪えています。

「ファー!」とか、「ポー!」というジーザスのファルセットな雄叫び(?)も妙にツボです(笑)

結構前ですが四季の劇場ロビーでそのシーン(ジーザスのPV)がモニターで流れていて、それを見ながらゲラゲラ笑っていたら、一緒に見に行ってた人に「そんなところで笑っちゃダメ」と、叱られたことがありました。

やっぱりあんまり笑ってはいけないんですね。

 

まとめ

結局何が言いたいのかといいますと…

もちろん最低限の観劇のマナーは守らなくてはいけませんが、あまりお約束事ばかりにこだわりすぎても肩が凝っちゃいますから、もう少しカジュアルな感じで観劇しませんか??

本能の赴くままに、感じたことをありのままに、好きなように楽しむというのはストレスの発散にもなりますし、あまりにお作法ばかり意識しすぎると、妙に緊張しちゃって疲れてしまいませんか? ということです。

もちろん、先ほどのまとめ記事を批判するのではありません。あのまとめは、「これから観劇をしよう」と考えている人は絶対に読んだほうがいい、むしろ教科書とも言えるマニュアルです。
「え? 観劇マナーってこんなに厳しいの?」という心構えはある程度は必要ですからね。じゃないと、傍若無人に振る舞う人が出てきてしまいますから。こういうのって学校で習うわけではないですから、普通の人は知りませんからね。

あのマニュアルを読んでから見に行ったら、まず恥をかくことはありえないでしょう。

で、その最低限のお作法を理解した上で…

作品の特徴を理解し、全部の作品を一緒のお作法にするのではなく、観る側は臨機応変に対応して、それぞれで楽しむのがいいんじゃないかな。

と、思うのです。うーん、なんだか小難しくなっちゃいましたかね(笑)

「お約束の箇所だけは笑ってもいい」、なんてどこかヘンですもんね!

 

そういえば、いつも皆が笑う箇所でどうしても自分はおもしろくないシーンがあります。「ウィキッド」のターザンロープと、「ライオンキング」の雌ライオンの涙、です。

 

実は先月、シアター・オーブの来日招聘ミュージカル、「シンギン・イン・ザ・レイン(雨に唄えば)」を見てきました!ロンドンで上演していた時には見なかったのですけど、それと同じカンパニーが来たので東京まで見にいきました。

あちらの方がそのまま来日して演じているからでしょうか。笑いどころのシーンがかなり多くて、そういうシーンでは結構客席から笑いが出ていましたね!私もゲラゲラ笑いました。

まぁ元々楽しいお話なので、笑いが発生して当然ですよね。とても自然に笑いが出ているので、とてもリラックスして楽しむことができました。まぁ、ロンドンの公演だったらもっとみんなガハガハ笑っていたのかもしれませんが。

これってもしかして、演じている人が日本人だったら笑いにくい雰囲気になるのかしら。まぁそれはないですかね。

 

 

さて皆さん!今回のお題はどう思われましたか?私はこれからも、

日本ではあんまり大きな声でゲラゲラも笑えないので、面白いシーンでは肩を震わせないように必死で我慢しながら、ミュージカルを自然に楽しもうと思っています!

みなさんの意見も是非聞かせてくださいね!

 

次の「ここだけの話」の記事はこちら

【今だから書けるここだけの話】劇場で出会った困った人たち、恐ろしい人たち

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この記事を書いた人

禁断J(禁断先生)

観劇ブロガー/オペラ座の怪人専門家。劇場で「禁断さん」と呼ばれるのは恥ずかしいですがもう慣れました。
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